フィンランド
精神医療
「開かれた対話」

ODオープンダイアローグとAD未来語りのダイアローグ
 
 開催:2021年3月21日(日)~3月27日(土)
             2021年9月19日(日)~9月25日(土)

 

対話の可能性を私たちはどう感じるか
やさしいフィンランドの精神医療に学ぶ

1980年代はじめに、フィンランドの西ラップランド地方にある病院で生まれた精神治療技法の「オープンダイアローグ」は、言葉こそが、現実を構成するという社会構成主義的な信念があり、言葉の回復が重要なカギを成すと言われています。この手法がいま、国際的な注目を集めているのは、急性期の統合失調症患者に対する治療的介入として、ほとんど薬物治療や入院治療を行わずに、非常に良好な治療成績を上げてきた実績があるためです。また、現在では、うつ病やひきこもり、摂食障害や依存症など、さまざまな領域において応用が広まっています。
地元大学の教授は、このオープンダイアローグに関連した研究成果の中で、オープンダイアローグは技術や治療ではなく、「哲学」や「考え方」であることを強調しました。精神科医療の現場に限定せず、教育、福祉、一般の企業の中でも、このオープンダイアローグによる「関係性の修復的対話」が取り入れられ、地域社会の中にも「対話の場」が一層増えてきています。
精神疾患を抱える人の在宅生活を支えるオープンダイアローグの実践現場を視察し、関わる専門職の支援の精神的・文化的基盤や、地域住民にオープンダイアローグの文化がどのように浸透しているのか、そしてまた、その実践の効果を知ることによって、日本の文化基盤にどう適応したオープンダイアローグを普及、発展させる可能性があるのかを考える機会として、この視察研修を企画いたしました。